お役立ち情報
相談できる先はいくつもあります。ただし、それぞれ引き受けられることが違います。「何をしたいか」から、行き先を決めてください。
この記事は、いま看護学校・看護系大学で困っている学生・院生の方に向けて書いています。当サイトの他の記事は学校の運営側に向けたものですが、この記事だけは当事者の方が読むことを前提にしています。
眠れない、食事がとれない、消えてしまいたいと感じる——そうした状態が続いているなら、ハラスメントの相談より先に、心と体のケアを優先してください。学校の保健室や学生相談室、かかりつけの医療機関、地域の精神保健福祉センターなどが窓口になります。
その状態のまま申し立ての準備をするのは、とても消耗します。順番を変えても、あなたの状況が不利になることはありません。
「学内に相談したが取り合ってもらえない」「実習先での扱いがつらいが、成績に響きそうで言えない」——こうした状況で相談先を探している方は、少なくありません。実際、法律相談のサイトには「外部機関から看護専門学校にアカデミックハラスメントの改善を指導してくれる機関を知りたい」という趣旨の投稿が繰り返し寄せられています。
左が「したいこと」、右が「行ける先」です。行き先を押すと、その窓口の説明へ移動します。色は窓口一覧と対応しています。
いますぐ話を聞いてほしい
気持ちを整理したい
これはハラスメントなのか
対処法を一緒に考えたい
公式に申し立てたい
記録を残したい
実習先や就職先での
扱いについて相談したい
退学・留年を迫られている
法的な対応を検討したい
これはおおまかな目安であって、したいことと行き先が一対一で決まっているわけではありません。ひとつの窓口が複数の目的に対応することもありますし、ここに挙げていない相談先もあります。気持ちの整理をしたい段階でNAAHに相談しても構いませんし、記録を残したい目的ではぐくみネットに話を聞いてもらうことも妨げられません。迷ったときは、連絡しやすいところから始めてください。
公開情報で確認できたものです。これがすべてではありません。お住まいの自治体や、加入している団体が独自の窓口を持っている場合もあります。
対処法を一緒に考える
2001年設立。大学・短期大学・高専・研究所などに在学・在籍・勤務する人を対象に、ハラスメント被害の相談と解決支援を行っています。専門学校も対象に含まれます。
アカハラを「研究教育に関わる優位な力関係のもとで行われる理不尽な行為」と定義し、指導拒否、退学・留年勧奨、不当な評価といった具体例を挙げています。一緒に問題点を整理し、対処方法を考えるという関わり方です。
まず話を聞いてもらう
看護学生を対象とした相談窓口です。公認心理師、看護師、保健師、看護教員などが対応します。公式LINEから24時間受け付けており、希望に応じてオンラインでの相談も可能です。
公的な記録として残す
差別や虐待、ハラスメントを含む人権問題全般の相談を受け付けています。電話は最寄りの法務局につながり、法務局職員または人権擁護委員が対応します。相談は無料で、秘密は守られます。
法務局は、申出を受けて関係者の協力のもとに調査を行い、事案に応じた措置を講じることがあります。措置には、法律的な助言を行う「援助」、当事者間の話合いを仲介する「調整」、人権侵害を行った者に改善を求める「説示」などがあります。
実習先・就職後の扱い
解雇、労働条件、いじめ・嫌がらせ、セクシュアルハラスメントなど、労働問題に関する相談を専門の相談員が電話または面談で受け付けています。
看護職として働きはじめてから
看護職を対象に、ハラスメントやメンタルヘルスに関する相談先の一覧を公開しています。まずは設置が義務付けられている職場の相談窓口へ、相談しにくい場合は他の相談先へ、という案内です。
学校が設置しているもの
多くの学校にハラスメント相談窓口が置かれ、相談員が指名されています。学内窓口のほか、学生相談室やカウンセラー、担任などの教職員を通じて申し出ることもできます。学校によっては、外部の事業者に委託した相談窓口を設けている場合があります。
学内の窓口が機能しないという声はありますが、公式な申し立ての記録を残すという意味では、他に代えがたい経路です。他の窓口と併用することもできます。
できる範囲で構いません。全部やってから、でなくて大丈夫です。
正直にお伝えしておきたいこと。外部から学校に対して改善を強制できる機関は、実際にはほとんどありません。多くの窓口が行えるのは、助言、当事者間の調整、学校への働きかけまでです。相談すれば必ず状況が変わる、とは申し上げられません。
それでも、記録が外部に残ることには意味があります。そして何より、ひとりで抱え続けるより、状況を言葉にして誰かに渡すほうが、次に取れる行動が見えやすくなります。
当社は、看護専門学校などが設置する第三者ハラスメント相談窓口の運営を受託しています。匿名でのログインと暗号化通信による専用システムを用い、学校側を介さずに専門家と直接やり取りできる仕組みです。
ただし、これは学校が設置するもので、学生の方が個人で申し込める窓口ではありません。ご自身の学校が当社の窓口を導入しているかどうかは、学校の案内をご確認ください。導入されていない場合は、上の窓口をご利用ください。
学校関係者の方で窓口の設置をご検討の場合は、外部相談窓口のご案内をご覧ください。
小野 純也(株式会社コノラボ 代表取締役)
博士(医学)・認定心理士。日本学術評価協議会(J-ARC)代表。アカデミック・ハラスメントの撲滅を目指す非営利国際団体 Academic Parity Movement(APM)International Advisory Board Member。
利益相反の開示:筆者および当社は、教育機関向けの第三者ハラスメント相談窓口サービスを提供しています。本稿は特定のサービスの導入を推奨するものではなく、相談先の選択肢を整理することを目的としています。本稿で紹介した他の団体・機関と当社の間に、資金その他の関係はありません。なお、筆者が代表を務める J-ARC(日本学術評価協議会) は当社が協賛する任意団体であり、中立な第三者機関ではないため、本稿の相談先一覧には含めていません。
すべて2026年8月25日確認。
本稿に記載した電話番号、受付時間、各団体の相談受付方法は、確認日時点の公開情報に基づくものです。これらは変更される場合がありますので、実際にご利用の際は各機関の公式サイトで最新の情報をご確認ください。また、本稿は法的助言を提供するものではありません。個別の対応については、弁護士等の専門家にご相談ください。
看護学生のためのハラスメント対応ガイド
アカデミック・ハラスメント対応ガイド(分野を問わないアカハラ全般)
更新履歴
2026年8月25日 公開