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安全な学習環境のために
Presented by コノラボ
このガイドでは、看護学生が直面するハラスメント問題について、その実態から対策までを詳細に解説します。
学術機関におけるハラスメントは深刻な人権侵害ですが、中でも看護学生は特に高いリスクに晒されていることが世界的に報告されています。
カナダでは88.7%、オーストラリアでは50%の看護学生が、少なくとも一度はハラスメントを経験したというデータもあり、これは決して他人事ではありません。
看護学生は、教員や臨床現場の指導者に対して評価やキャリアの面で依存度が高く、不当な扱いを受けても声を上げにくいという、非常に脆弱な立場に置かれています。
学生からの声に基づくと、看護教育現場のハラスメントは主に10の類型に分類できます。以降のスライドで、これらの類型について具体的に見ていきます。
学習への建設的な指導ではなく、学生の人格や存在自体を強く否定・侮辱する言葉を浴びせる行為です。
学生の声: 「教員から『お前には単位やらない』と大声で言われ、泣いてしまいましたが『泣けば済むと思うな』とさらに責められました。」
学習意欲の喪失、自己否定感の増大、精神的ダメージ、コミュニケーションの断絶
挨拶や報告を意図的に無視したり、必要な指導を避けたりして、学生を孤立させる行為です。
学生の声: 「報告しようと声をかけても“後で”と逃げられ、結局何も聞いてもらえず‘指導不足’のまま実習が終わりました。ナースステーションでも無視され、孤独感がすごかったです。」
学習機会の喪失、精神的ストレス・不安、二次的ないじめへの発展
学習意図が不明確なまま、学生の健康を害するほどの膨大なレポートや記録を要求する行為です。
学生の声: 「指導教員から“寝ずに書け”と言われ、毎日2時間も眠れず。疲労で実習先でも集中できず、『やる気がない』とまた怒られる悪循環でした。」
心身の疲弊、学習意欲の低下、教育の質の低下
明確な評価基準を示さず、教員の感情や好き嫌いで成績や単位認定を左右する行為です。
学生の声: 「同じミスをした他の子は合格で、私だけ不合格。理由を聞いても『なんとなく』としか言われず、理不尽でした。」
学習への不信感、精神的ストレス、進路への打撃、教育現場への信頼失墜
個人的な好き嫌いを指導に持ち込み、特定の学生だけを標的にして追い詰めたり、逆にえこひいきしたりする行為です。
学生の声: 「教員に“あの子は目上の人に可愛がられるのに、あなたは愛想がないから可愛くない”と言われ、目の前で態度が露骨に違いました。」
学習環境の不公平感、ターゲットにされた学生の孤立とストレス、教育目的の歪み
不必要な身体的接触や、暴力、性的な言動で学生を辱める、最も悪質な行為の一つです。
学生の声: 「実習中のナースステーションで腕を掴まれて振り回され、周囲にスタッフも患者もいるのに止めてくれず怖かったです。」
身体的恐怖と安全の脅威、精神的トラウマ、法的リスク
学生の通院歴や家族状況といった個人情報を本人の許可なく他者に漏らしたり、私物を無断で確認したりする行為です。
学生の声: 「担任だけに話した家庭の事情を、他の教員やクラスメイトが知っていました。プライバシーを完全に踏みにじられ、不信感でいっぱいです。」
信頼喪失と不安増大、名誉毀損、法的問題への発展
実習先の看護スタッフなどから「学生は邪魔」といった態度を取られ、必要な指導や見学の機会を意図的に与えられない行為です。
学生の声: 「実習中、指導看護師にまったく声をかけられず、ほぼ放置。相談しようとしても『今忙しい』とあしらわれ、結果何も学べないまま実習終了に......。」
学習機会の喪失、過剰な上下関係による萎縮、看護職への意欲低下
学生がハラスメント被害を訴えても、学校や管理者が真剣に取り合わず、相談窓口が機能していない状況です。
学生の声: 「校内に相談窓口はあると聞いていたのに、いざ行ったら『単位をあげないぞ』と脅され、動揺して何も言えませんでした。」
被害の拡大・隠蔽、学生の絶望感と不信感、教育機関としての信用失墜
年齢、性別、国籍、社会人経験などの属性を理由に、不当な扱いや偏見の押し付けを行う行為です。
学生の声: 「30代で再進学しただけで『なんで今さら?』と馬鹿にされ、クラスでも教員からも浮いた存在にされました。」
学習意欲と自尊感情の喪失、看護の理念との矛盾、教員・組織への不信感
ハラスメントは個人の資質だけでなく、組織文化や学習プロセスによっても助長されます。
「自分も昔はそう指導された」という経験から、虐待的な指導スタイルが、悪気なく再生産されてしまう理論です。攻撃的な行動が成功体験として学習されると、負の連鎖が生まれます。
教員と学生の間に大きな権力差がある組織では、上位者の不適切な言動が「指導」として正当化されやすく、ハラスメントが常態化する傾向があります。
ハラスメントは、学生の心と体に深刻なダメージを与え、その影響は長期にわたることもあります。
特に看護学生は、一般の大学生と比較してうつや不安のリスクが高く、自殺念慮を経験する割合も高いことが報告されており、ハラスメントがその引き金となり得ます。
ハラスメント防止には、「何が違反か」という法的線引きだけでなく、よりポジティブなアプローチが求められます。それがシビリティ (Civility) という考え方です。
シビリティとは、他者への敬意、礼節、思いやりに基づいた言動や態度のことです。ハラスメントが「してはいけないこと」のリストだとすれば、シビリティは「するべき望ましい関わり方」を示します。
被害を経験した学生たちは、単に加害者の処分を求めるだけでなく、より建設的で安全な学習環境を望んでいます。
ハラスメントは個人の問題ではなく、組織全体で取り組むべき課題です。安全な研究環境を構築するためには、以下のような対策が求められます。
もしあなたがハラスメントに苦しんでいるなら、それは決してあなたのせいではありません。一人で抱え込まず、信頼できる人に相談してください。学内の窓口が機能していないと感じる場合は、外部の窓口を頼ることもできます。当社以外にも相談を受け付けている団体がありますので、下の一覧もご覧ください。
コノラボのアカハラ相談窓口へハラスメントは、学生の未来と組織の信頼を破壊する深刻な問題です。私たちは、ハラスメント防止研修の実施や、相談しやすい体制の構築支援を通じて、より良い教育環境づくりをサポートします。
法人向けお問い合わせはこちら学内の窓口が使いにくいと感じる場合、学外にも相談を受け付けている窓口があります。それぞれ得意なことが違うので、目的に合わせて選んでください。
連絡先や受付方法、それぞれをどう使い分けるかは、「看護学校でのハラスメント、どこに相談できるか」にまとめています。
あわせてお伝えしておきます。当社代表は、学術ハラスメントの実態調査や予防教育に取り組む任意団体 J-ARC(日本学術評価協議会) の代表を務めており、当社は同団体の協賛企業です。中立な第三者機関としてではなく、当社と関係のある団体としてご紹介しています。
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アカデミック・ハラスメント全般については アカデミック・ハラスメント対応ガイド もご参照ください。