看護教育

都道府県別看護師等養成所 指導要綱リンク集

47都道府県を調べた結果と、その限界

公開日:2026年8月19日 執筆:小野 純也(博士・医学)

厚生労働省の「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン」は、実は養成所を直接縛る文書ではありません。実務を規律するのは、各都道府県がこれを受けて定める指導要綱です。つまり養成所が確認すべきなのは、自分の県の要綱です。ところが、その要綱をウェブで公開している県は、調べたところ47のうち16しかありませんでした。本稿では調査結果を一覧にし、なぜ3割にとどまるのかを考えます。

WHY

なぜ「自分の県の要綱」が必要なのか

国のガイドラインは、地方自治法に基づく技術的助言です。それ自体が直接の法的義務を課すものではありません。

実務上の効力は、都道府県がこれを受けて自県の指導要綱を定め、それに基づいて実地指導や自己点検を行うことで生じます。したがって、

看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン

技術的助言。全国共通の水準を示す

都道府県 ◯◯県看護師等養成所の運営に関する指導要綱(要領)

実地指導・自己点検の実際の基準になる

令和5年の改正で第5-1-(13)にハラスメントが明記されたことも、各県の要綱に反映されて初めて実務に降りてきます。自校が従うべき文言は、国の条文そのものではなく、県の要綱に書かれているものです。

METHOD

調査の方法と限界

2026年8月、47都道府県のサイトを順に確認しました。呼称が県によって異なるため、「指導要綱」「指導要領」「指定申請等」の複数の言い回しで検索し、該当しそうなページを開いて内容を確かめています。

この調査の限界

1. 検索で到達できた範囲に限られます。各県のサイト内検索やサイトマップを網羅的にたどってはいません。深い階層にあるページや、想定しなかった呼称で置かれているページは拾えていない可能性があります。「公開ページを確認できませんでした」は、その県が要綱を定めていないことでも、公開していないことでもありません。

2. 呼称のゆれを完全には追えていません。「指導要綱」「指導要領」「指定申請等に関する要領」「手引き」など、県によって名称が異なります。複数の言い回しで検索しましたが、これ以外の呼称を用いている県を見落としている可能性があります。

3. 掲載を確認した16県のうち、ページを開いて確認したのは8県です。残る8県は検索結果の記載から判断しており、「未目視」または「URL未確認」と注記しました。実際の掲載内容が想定と異なる場合があります。

4. 見つからなかった31県は、検索語を変えて二度調べました。当初は「◯◯県 看護師等養成所 指導要領」で検索していましたが、これでは看護をページ名に含まない県を拾えません。そこで「医療関係職種養成施設」「各種養成施設」といった語で全県を再検索しました。その過程で1県、当初の判定が誤っていたことが判明しました。検索結果では見つからなかったページが、実際には看護の要領を完備していたものです(掲載が調査の直前だったため、検索側に反映されていなかったと見られます)。

5. 要綱の本体(PDF等)は開いていません。掲載されている版の判断は、ページ上の表記やファイル名に基づくものです。本文の内容までは確認していません。自己点検表についても、看護課程を対象とするものかどうかまでは、ファイル名から判断できる県に限って確認しています。

6. 養成所向けの限定配布は把握できません。ウェブに載せず、所管の養成所へ直接送付している県もあると思われます。その場合、養成所は要綱を持っているはずで、この調査で言う「未確認」とは意味が異なります。

7. 一人による一時点の調査です。第三者の検証を経ていません。また県のサイトはしばしば改修されるため、掲載URLはいずれ切れます。実際、調査時点で1県のリンク切れを確認しました。

誤りや見落としにお気づきの場合は、お知らせいただけますと幸いです。訂正のうえ更新履歴に記載します。

LIST

都道府県別 一覧

公開が確認できた県はリンクを、確認できなかった県は所管課を記載しています。「自己点検表あり」は、看護の課程別に自己点検表を掲載していることが確認できた県です。他職種向けの自己点検表のみを掲載している県には付していません。

北海道・東北

都道府県掲載ページ最終確認
北海道公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:保健福祉部地域医療推進局 医務薬務課 看護政策係
青森県青森県看護師等養成所の指定申請等及び業務指導等について 自己点検表あり指定申請等に関する要綱、運営に関する指導要領(別表1〜14を含む)、業務指導実施要綱、自己点検表3種(看護師3年定時・2年定時・准看護師/Excel)、様式9種を掲載。ページ更新日は令和5年8月2026-08-19
岩手県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:保健福祉部医療政策室 医務担当(看護)019-629-5407
宮城県看護師等養成所の指定等に関する手続きについて「宮城県看護師等養成所の指定に関する事務取扱要領」本文と別表第1〜5をPDFで、様式第1〜15(計21ファイル)をWord/Excelで掲載。様式には課程別の進度表8種(保健師・助産師・看護師3年・2年・2年定時制・2年通信制・准看護師・統合カリキュラム2種)を含む。国のガイドライン2種へのリンクも併載。掲載日は2024年4月1日2026-08-19
秋田県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康福祉部 医務薬事課 医療人材対策室 018-860-1407
山形県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康福祉部 医療政策課
福島県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:保健福祉部 医療人材対策室 看護職員確保担当 024-521-7222

関東

都道府県掲載ページ最終確認
茨城県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:保健医療部 医療人材課
栃木県各種養成施設の指定等「運営に関する指導要領」「指定申請等に関する指導要領」をPDFで掲載。他13職種の養成施設と同一ページ。ページ更新日は2021年3月2026-08-19
群馬県医療関係職種養成施設(所)について「指定申請等に関する指導要項」「運営に関する指導要領」をPDFで、様式第1〜10をWord/Excelで掲載。国のガイドライン2種も併載。職種別の表で看護を最上段に配置。ページ更新日は2026年4月1日2026-08-19
埼玉県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:保健医療部 医療人材課 看護・医療人材担当 048-830-3543「看護・医療人材の養成・支援」ページに、言語聴覚士・歯科衛生士・診療放射線技師・義肢装具士・臨床検査技師・臨床工学技士・理学療法士作業療法士・視能訓練士・はり師きゅう師・柔道整復師・歯科技工士の11職種について「申請及び届出等について」を掲載。看護師等養成所の項目はなく、掲載は補助金と研修に関するもののみ
千葉県看護師等養成所の指定申請等について 掲載は平成30年改正版指定申請等に関する指導要領、運営に関する指導要領、様式一式を掲載。掲載されている運営指導要領は平成30年4月改正版。ページ更新日は平成29年12月2026-08-19
東京都養成所等指導要綱・指導要領・指導調査要綱・自己点検票・通知「東京都医療関係職種養成所等指導要綱」本文に加え、「東京都看護師等養成所の指定申請等に関する指導要領」「東京都看護師等養成所の運営に関する指導要領」を掲載。国のガイドライン2種も併載。指導調査要綱、自己点検票、通知も同一ページにまとめられている。自己点検票は職種別の一覧で掲載されているが、看護課程分を含むかは未確認2026-08-19
神奈川県看護師等養成所の指定申請等に関する指導要綱について運営に関する指導要綱、指定申請等に関する要綱、手引き、様式、国の新旧対照表を掲載2026-08-19

中部

都道府県掲載ページ最終確認
新潟県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:福祉保健部 医師・看護職員確保対策課 看護職員確保・育成係 025-280-5178
富山県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:厚生部 医務課
石川県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康福祉部医療対策課検索結果には表示されるが、URLは調査時点で404。現行URLの再確認が必要
福井県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康医療局地域医療課
山梨県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:福祉保健部 医務課 医療指導・県立病院担当 055-223-1482/看護は看護担当「医療関係職種養成施設(所)の指定等について」に、診療放射線技師・臨床検査技師・理学療法士作業療法士・視能訓練士・言語聴覚士・臨床工学技士・義肢装具士・救急救命士・歯科衛生士・歯科技工士・はり師きゅう師・柔道整復師の12職種について県独自の指導要領と自己点検表を掲載。看護師等養成所は対象職種に含まれていない
長野県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康福祉部 医師・看護人材確保対策課 看護係 026-235-7142「医療関係職種養成施設(所)の指定等」のページがあり、対象は救急救命士・理学療法士等の13職種
岐阜県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康福祉部 医療福祉連携推進課 看護係 058-272-8269
静岡県各医療関係職種養成所に係る指導ガイドライン及び様式等について 自己点検表あり指定申請ガイドライン、運営ガイドライン、設置・変更の様式要領に加え、自己点検表を課程別に5種(保健師・助産師・看護師3年・看護師2年・准看護師/Excel)掲載。ページ更新日は2024年4月1日2026-08-19
愛知県看護師等養成所の指定等申請について「愛知県看護師等養成所の指定申請等に関する要領」と別添をWordで、別表第1〜5をPDFで、様式第1〜9(通知文・概要・学則・学生・教員・教育・校舎・実習・管理運営)と変更報告書をWord/Excelで掲載。ページ更新日は2025年6月2日2026-08-19
三重県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:医療保健部 医療人材課 看護職員確保班 059-224-2053 iryokai@pref.mie.lg.jp

近畿

都道府県掲載ページ最終確認
滋賀県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康医療福祉部 医療政策課 077-528-3611所管課の分掌事務に「医療関係職種養成施設の指定・変更に関すること」の記載あり
京都府公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康福祉部 医療課
大阪府大阪府看護師等養成所の指定申請等について「大阪府看護師等養成所の指定申請等に関する指導要綱」と別添をPDFで掲載。別表第1〜6をWord/PDF両形式で用意し、様式は看護師課程用と准看護師課程用を分けて約40種を掲載。各様式はWord(加工用)とPDF(記載要領付き)の2形式、一括ダウンロードも可能。申請・届出5区分ごとに提出書類・スケジュール・留意点を本文で解説。ページ更新日は2025年4月1日2026-08-19
兵庫県医療従事者養成施設等に関する許認可・届出 未目視医務課「医療人材確保班(看護指導担当)」の所管ページとして掲載2026-08-19
奈良県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:福祉保険部 医療政策局
和歌山県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:福祉保健部健康局 医務課 073-441-2600 e0501001@pref.wakayama.lg.jp

中国・四国

都道府県掲載ページ最終確認
鳥取県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:福祉保健部 健康医療局 医療政策課 0857-26-7195
島根県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康福祉部 医療政策課 看護職員確保グループ 0852-22-6277 iryou@pref.shimane.lg.jp養成所運営費補助金のページはあり
岡山県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:保健医療部 医療推進課 看護・試験班/医事班
広島県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康福祉局 医療政策課 医療人材グループ 082-513-3057医療従事者養成所等のページがあり、対象は理学療法士・作業療法士・臨床工学技士・救急救命士・歯科衛生士・歯科技工士・はり師きゅう師・柔道整復師の8職種
山口県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康福祉部 医療政策課 看護指導班 083-933-2928 a11700@pref.yamaguchi.lg.jp養成所運営事業のページはあり
徳島県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:保健福祉部 医療政策課 看護担当 088-621-2226/2195 iryouseisakuka@pref.tokushima.lg.jp
香川県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康福祉部 医務国保課 医療人材グループ 087-832-3315 imu@pref.kagawa.lg.jp
愛媛県看護師等養成所の指定・変更申請を行うには URL未確認医療対策課のページに「看護師等養成所の指定・変更申請を行うには」(2021年3月12日)という項目があります。掲載内容は未確認のため、所管課にご確認くださいお問い合わせ先:保健福祉部社会福祉医療局 医療対策課 地域看護係 089-912-24062026-08-19
高知県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康政策部 医療政策課 看護担当 088-823-9665養成所運営費補助金交付要綱は公開

九州・沖縄

都道府県掲載ページ最終確認
福岡県看護師等養成所の指定申請等について 未目視指定申請等の手続きPDFと様式第1〜7の一式(Word)を掲載2026-08-19
佐賀県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:健康福祉部 医務課 医療人材政策室
長崎県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:福祉保健部 医療人材対策室 看護師確保推進班 095-895-2423
熊本県(令和7年度)看護師保健師助産師看護師法等に関する厚生労働省等からの通知県独自の要綱ではなく、厚生労働省からの通知を年度別に整理して掲載する形式。令和7年2月25日の指定規則改正省令および指導ガイドライン一部改正の通知(新旧対照表を含む)を掲載。ページ更新日は2025年6月25日2026-08-19
大分県看護師等養成所の指定申請等について 未目視指定申請のスケジュールと様式第1〜3の一式を掲載。医療関係職種養成所の申請等の電子化に関するページも別途あり2026-08-19
宮崎県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:福祉保健部 医療政策課 看護担当 iryoseisaku@pref.miyazaki.lg.jp所管課の分掌事務に「看護師及び准看護師の養成所に関すること」の記載あり
鹿児島県公開ページを確認できませんでしたお問い合わせ先:保健福祉部 医師・看護人材課 看護係 099-286-2736
沖縄県医療従事者養成施設等 未目視看護師等学校養成所報告管理システムの操作マニュアルと、変更手続の提出書類一覧を掲載2026-08-19

FINDINGS

わかったこと

公開が確認できたのは16県

47県のうち、指導要綱またはそれに準ずる文書の公開が確認できたのは16県でした。残る31県については、二度の検索でも見つけられませんでした。

地域差がはっきりしている

地方公開が確認できた県
関東5 / 7█████░░
九州・沖縄4 / 8████░░░░
北海道・東北2 / 7██░░░░░
近畿2 / 6██░░░░
中部2 / 10██░░░░░░░░
中国0 / 5░░░░░
四国1 / 4█░░░

中国地方の5県では、1県も公開が確認できませんでした。四国も4県のうち1県のみで、しかもその1県はページの見出しを確認できただけでURLに到達できていません。西日本の養成所は、所管課に問い合わせる手段に頼らざるを得ない状況にあります。

看護課程の自己点検表を配布している県は、確認できた範囲で2県

指導ガイドライン第9-5は、養成所に自ら評価を行い結果を公表することを求めています。その様式を県が用意していれば、養成所の負担は大きく減ります。

看護の課程別に自己点検表を掲載していることが確認できたのは、青森県と静岡県の2県でした。静岡県は保健師・助産師・看護師3年課程・看護師2年課程・准看護師の5種類、青森県は看護師3年課程(定時制)・2年課程(定時制)・准看護師の3種類をExcelで用意しています。

東京都について

東京都も同じページに自己点検票を掲載しています。ただし職種別の一覧として掲げられており、看護課程分が含まれるかは確認できませんでした。同ページには「医療関係職種養成所・養成施設の適正な運営に関する留意事項について通知しています(保健師・助産師・看護師養成所及び准看護師養成所を除く)」という記載があり、看護と他職種で扱いを分けている箇所があります。自己点検票の対象については、所管課にご確認ください。

自己点検・自己評価をどう書くかについては、別稿で詳しく扱いました。国が参照先としている自己評価指針は平成15年のもので、ハラスメントの項目を持ちません。県の様式があるかどうかは、その空白を埋める作業の重さに直結します。

他職種には揃えているが、看護だけ空白という県がある

これは、調査を始めたときには想定していなかった発見です。

多くの県は、医療関係職種の養成施設に関する指導要領を職種横断で一覧にしています。県独自の要領を作り、自己点検表まで用意している県も少なくありません。

その一覧のなかで、看護師等養成所だけが対象外になっている県が4県ありました。埼玉県・山梨県・長野県・広島県です。いずれもページを開いて確認しています。

掲載されている職種自己点検表
山梨県診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士作業療法士ほか12職種あり
埼玉県言語聴覚士、歯科衛生士、診療放射線技師ほか11職種あり
長野県救急救命士、理学療法士、作業療法士ほか13職種
広島県理学療法士、作業療法士、臨床工学技士ほか8職種あり

たとえば山梨県は、12職種すべてについて「山梨県◯◯養成所指導要領」(PDF)と「自己点検表」(Excel)を用意しています。ページの更新日は2026年3月。放置されているわけではありません。そのうえで、看護師等養成所は対象職種に含まれていません。

埼玉県はさらに分かりにくい構造です。当該ページの名称は「看護・医療人材の養成・支援」。そこに11職種の申請・届出ページが並んでいますが、看護師等養成所のものはありません。掲載されている看護関連は、補助金と研修に関するものだけです。

一方で、静岡県・栃木県・群馬県は同じ職種横断型でありながら、看護も含めて掲載しています。静岡県は保健師・助産師・看護師・准看護師を先頭に置き、群馬県は職種別の表で看護を最上段に配置しています。

なぜ分かれるのか

理由はこの調査からは分かりません。ただ、いくつか考えられることはあります。

看護は他職種と所管する係が異なる県が多く、ページの作成主体が別だった可能性があります。また、看護師等養成所は数が多く、直接の連絡体制が確立しているためウェブ掲載の必要性が低い、という事情もあるかもしれません。

どちらが良いという話ではありません。ただ、他職種のページを見て「看護がない」と戸惑う方はいると思われます。この4県については、一覧にその旨を注記しました。

掲載は動いている

群馬県のページには、更新履歴として「令和7年12月24日 看護師等養成所に係る要領等を掲載しました」と記されていました。比較的最近、追加されたものです。

この調査でも、検索結果の段階では「看護は対象外」と読めたものが、ページを開くと完備していた、という誤判定が実際に起きました。各県の掲載状況は動いています。この一覧は2026年8月時点のスナップショットに過ぎず、いま見ると増えている可能性があります。

掲載されている版を確認する必要がある

公開している県のうち1県では、掲載されている運営指導要領が平成30年4月改正版でした。ページの更新日は平成29年12月です。

リンクをたどれば要綱そのものには到達できます。ただし、令和5年改正で加わった条項は、その版には含まれていません。

一覧に版を注記したのはこのためです。リンクが生きていることと、内容が現行であることは別です。最新版が必要な場合は、所管課にお尋ねください。

逆に、国の通知を追い続けている県もある

熊本県は、県独自の要綱を掲げる形ではなく、厚生労働省からの通知を年度別に整理して掲載しています。令和7年2月25日の指定規則改正省令と指導ガイドライン一部改正の通知(新旧対照表を含む)まで揃っており、更新の新しさでは調査した中で随一でした。

形式は違いますが、「いま何が変わったか」を追いたい担当者にとっては、これが最も使いやすい形かもしれません。改正のたびに要綱を作り直すより、国の通知をそのまま届けるほうが速い、という考え方はあり得ます。

参考になる4つの形

調査を通じて、それぞれ異なる強みを持つ県が見えてきました。

1静岡県 ── 様式まで揃える

指定申請ガイドライン、運営ガイドライン、様式要領に加え、看護の課程別に自己点検表を5種。他11職種についても同じ形式で揃えています。養成所が「何をどう確認すればよいか」まで示されている点で、調査したなかで最も手厚い構成でした。

2大阪府 ── 手続きの流れを解説する

要綱と様式を置くだけでなく、申請・届出を5区分に分けて本文で解説しています。各区分に提出書類・スケジュール・留意点が明記され、様式はWord(加工用)とPDF(記載要領付き)の2形式。准看護師課程用を別立てにし、一括ダウンロードにも対応しています。

3東京都 ── 一つのページに集約する

指導要綱、看護師等養成所の指定申請等・運営の指導要領、指導調査要綱、自己点検票、通知が一枚のページにまとまっています。探し回る必要がないという点で、担当者の負担が小さい形です。

4熊本県 ── 更新を追い続ける

県独自の要綱を掲げるのではなく、国の通知を年度別に整理。令和7年2月の改正まで反映されています。「いま何が変わったか」がわかる形です。

青森県が課程別の自己点検表を、神奈川県が国の新旧対照表を、宮城県が課程別の進度表8種を用意しているのも、同じく養成所側の実務を考えた構成だと思われます。

WHAT TO DO

公開されていない県はどうするか

31県については、所管課に直接お尋ねいただくことになります。一覧に課名と連絡先を記載しました。47県分は特定できています。

問い合わせの際は、次のように具体的に聞くと話が早いと思われます。

  • 自県の指導要綱(要領)の最新版を送ってもらえるか
  • 国の令和7年2月25日改正を受けた改正予定があるか
  • 自己点検・自己評価の様式が用意されているか

とくに3点目は、様式があれば作業が大きく変わります。公開していないだけで、求めれば提供される県もあるかもしれません。

なお、公開していないことをもって、その県の指導が緩いということにはなりません。要綱が存在しないわけではなく、ウェブに載っていないだけです。実地指導は各県で行われています。

CLOSING

おわりに

この調査を始めたときは、47県分のリンクが並ぶ一覧ができると考えていました。実際に埋まったのは3分の1ほどです。

ただ、それは県の姿勢の問題ではないだろうとも思います。養成所の数は県によって大きく異なり、数校しかない県では、ウェブに載せるより直接届けるほうが確実です。ウェブで完結しないことと、情報が届いていないことは、同じではありません。

それでも、確認したいときに自分で確認できる状態には価値があります。とくに自己点検・自己評価のように、養成所が自ら作業する場面では、様式があるかどうかで負担が変わります。

この一覧が、その手間を少しでも減らすものになれば幸いです。また、誤りにお気づきの際はお知らせください。調査には見落としがあるものと考えています。

AUTHOR
小野 純也(Junya Ono)Ph.D.

博士(医学)。株式会社コノラボ 代表取締役。PLOS ONE Academic Editor。アカデミック・ハラスメントの撲滅を目指す非営利国際団体 Academic Parity Movement(APM)International Advisory Board Member。大学・養成所における研究倫理およびFD/SD研修の企画・登壇多数。

【利益相反の開示】本稿の執筆者は、看護専門学校向けの外部ハラスメント相談窓口サービスを提供しています。本稿は公表情報の調査結果であり、特定のサービスの導入を推奨するものではありません。

REFERENCES

参考資料

  • 厚生労働省「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン」(平成27年3月31日医政発0331第21号/最終改正 令和7年2月25日医政発0225第7号)
  • 厚生労働省 看護教育ポータル「発見・看護!」
    https://www.mhlw.go.jp/kango_kyouiku/news/4.html
  • 各都道府県ウェブサイト(一覧に記載)

調査時点:2026年8月19日。県のサイト改修によりリンクが変わることがあります。ご利用の際は各行の最終確認日をご覧ください。

「公開ページを確認できませんでした」について:検索の範囲で到達できなかったという意味です。当該県が要綱を定めていないこと、公開していないこと、いずれも意味しません。養成所へ直接配布している県もあると思われます。

「未目視」について:検索結果の記載から判断し、ページを開いての確認を行っていない県です。掲載内容が想定と異なる場合があります。

本稿の位置づけ:公表情報の調査結果の報告であり、各県の取組を評価するものではありません。また法的助言でもありません。実務上の判断にあたっては、所管都道府県にご確認ください。

訂正のお願い:リンク切れ、記載の誤り、見落としにお気づきの場合は、お問い合わせよりご一報いただけますと幸いです。確認のうえ訂正し、更新履歴に記載します。

更新履歴

2026/08/19 公開(47都道府県の調査を実施)

2026/08/19 群馬県の記載を訂正。当初「公開を確認できず」としていましたが、ページを確認したところ看護師等養成所の指導要領を掲載しておりました。お詫びして訂正します(あわせて公開県数を14→15、関東を4/7→5/7に修正)

2026/08/19 東京都の記載を修正。当初「自己点検表あり」としていましたが、掲載されている自己点検票に看護課程分が含まれるかを確認できていなかったため、注記に改めました

2026/08/19 群馬県の誤りを受け、見つからなかった31県すべてを検索語を変えて再調査。愛媛県について該当ページの存在を確認したため記載を追加(公開県数を15→16、四国を0/4→1/4に修正)。あわせて、埼玉県・山梨県について「他職種は掲載、看護のみ非掲載」の構造を確認し、第4節に追記しました